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| 芭蕉忌や遥かな顔がをる | |||
| 草田男(昭和十八年作) | |||
| 畦縦横枯れて信濃の一茶忌や | |||
| 幻 魚(昭和二十九年作) | |||
| 蔵今日も旅者の背景一茶の忌 | |||
| 紫 晃(昭和四十六年作) | |||
松尾芭蕉は陰暦十月十二日没、五十一歳、小林一茶は陰暦十一月十九日没、六十五歳、いずれも三人の師に大きな影響を与えてる。芭蕉も一茶も、有限の命を自覚して、生ある限り命に執着し、最期まで己の俳句の道を貫いた生き方は同じである。 草田男師は特に芭蕉を敬慕されて芭蕉論を沢山残されてる。その中でも「高悟帰俗」論は、現世相に通じる説得力あるものと受け留めた。志を持ち、現実に背を向けず実践の道が問われてるのだ。その真髄が掲句に表出してる。
一茶については、お国自慢や名物化した偶像化に対し危機感を持って、幻魚師と紫晃師は警告を発してると掲句を通し感じた。 とかく作品のみが一人歩きする一茶については、「凡夫煩悩のまこと」の境地を合わせ探究すべきことを示唆されてるのだと思った。
(神田北童記)
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| 尾根路へと小暗き小道木の実鳴る | 神田北童 | ||
| 霧濃しや白馬三峰いづこにぞ | 〃 | ||
| 痩せ尾根を霧駆けのぼり駆けくだる | 〃 | ||
| ゆるやかにがれ場攀じゆく霧の脚 | 〃 | ||
| 岩壁を滑る狭霧の白妙に | 〃 | ||
| 峡谷に霧のもののけ蹲り | 〃 | ||
| 霧匂ふ幻想の如ガスる池(八方池) | 〃 | ||
| 遭難碑洗ひし霧の粒粗き | 〃 | ||
| 霧雨や白まぎれなき樺林 | 〃 | ||
| 霧籠めの岳に憧れ霧を聞く | 〃 | ||
| 登攀路ひた下る背に霧の音 | 〃 |
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| 長考しどんと崩るる九月波 | 菅原あや子 | ||
| 簾納む鳥居峠を近くせり | 吉田長久 | ||
| 小さき科涙で拭ふ青葡萄 | 奥原 修 | ||
| 澄めるだけ澄みたる池塘影全し | 三浦真佐子 | ||
| 待ち兼ねし朝の木洩れ日桷朱し | 川原澄子 | ||
| 掌より聞く神木の声涼新た | 長田五月 | ||
| 前歯から大人に少女夏惜しむ | 古畑泰絵 | ||
| 滝の音真水のやうな少女たち | 伊藤穏子 | ||
| 夏至暮るる此の世の坂をころばずに | 松田玉枝 | ||
| 月を見て月に見られて正座かな | 牛山徳冶郎 | ||
| この谷も生きる証の蝉時雨 | 上坂とし子 | ||
| 帰り行く子をかなかなと送りけり | 小岩井峰子 | ||
| 子等発ちし部屋の広さよ夜の秋 | 服部米子 | ||
| 息弾む男の子を踊る阿波おどり | 今 朝生 | ||
| 寝落つにはしばし間のあり稲光 | 田中 和 | ||
| 向日葵に明日への力貰ひたし | 西 絹代 |
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| 長考しどんと崩るる九月波 | 菅原あや子 | ||
| 簾納む鳥居峠を近くせり | 吉田長久 | ||
| 小さき科涙で拭ふ青葡萄 | 奥原 修 | ||
| 澄めるだけ澄みたる池塘影全し | 三浦真佐子 | ||
| 待ち兼ねし朝の木洩れ日桷朱し | 川原澄子 |
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| 流燈のかなたは千の闇となる | 長峯寿子 | ||
| 掌より聞く神木の声涼新た | 長田五月 | ||
| 前歯から大人に少女夏惜しむ | 古畑泰絵 | ||
| 歳時記を読み比べする夜の秋 | 村田 守 | ||
| 滝の音真水のやうな少女たち | 伊藤穏子 | ||
| 夏至暮るる此の世の坂をころばずに | 松田玉枝 | ||
| 野分あと白樺肌を洗はれし | 小山まさ志 | ||
| 秋桜ゆれをる猫の通り道 | 半坂峰子 | ||
| 月を見て月に見られて正座かな | 牛山徳冶郎 | ||
| この谷も生きる証の蝉時雨 | 上坂とし子 | ||
| 帰り行く子をかなかなと送りけり | 小岩井峰子 | ||
| 子等発ちし部屋の広さよ夜の秋 | 服部米子 | ||
| 宣言を涙して聞く原爆忌 | 吉田裕子 | ||
| 息弾む男の子を踊る阿波おどり | 今 朝生 | ||
| 揺ぎなき憤怒の仁王秋の声 | 山菅良文 | ||
| 寝落つにはしばし間のあり稲光 | 田中 和 | ||
| 稲を刈る音の下り来る棚田かな | 塩野入靖夫 | ||
| 向日葵に明日への力貰ひたし | 西 絹代 |
