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| 初寝覚今年なさねばなす時なし | |||
| 草田男(来し方行方) | |||
| 心の火賜び給へ土けふは凍てぬ | |||
| 幻 魚(黒姫三十八号) | |||
| 寒柝や一灯低く稿つなぐ | |||
| 紫 晃(黒姫百九十八号) | |||
未曾有の東日本大震災で旧年の一年間は幕を閉じた。この大震災を契機に、誰もがさまざまな教訓と、己を見直す機会が与えられた。今何を考え、何をなすべきかを、年頭に当たり冷静に己の胸に問いたい。
そのための示唆を三人の師から得るために、師達の沢山の作品を繙いてみた。草田男師の句は考えるだけでなく、今、時を失わず行動を起こせと示唆してる。幻魚師の句は、その行動を起こす勇気を得る為に、もっと情熱(心の火)を持とうと己を叱咤してる。凍土とはかたくなな心であり、情熱の火は心の凍土を溶かす。紫晃師の句は、寒柝(かんたく)を草田男師・幻魚師の声と考え、その声の示唆を慎ましく引き継ぐのだと教示されてる。やや、飛躍した私流の鑑賞をさせていただいた。
(神田北童記)
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| 藍沈め行く秋の湖ひづみなし | 神田北童 | ||
| 秋の水とどろかずともひびけよと | 〃 | ||
| 霊廟のかんぬき堅し一声 | 〃 | ||
| 小春日や支援列車に祈り乗せ | 〃 | ||
| 被災後も法灯不滅冬はじめ(立石寺四句) | 〃 | ||
| 晩秋の五大堂のみ暮れ残し | 〃 | ||
| 姥堂に眼を凝らす初しぐれ | 〃 | ||
| せみ塚を芯にしぐれの音ばかり | 〃 | ||
| 真蹟に不易の気迫夕しぐれ(山寺芭蕉記念館) | 〃 | ||
| 大霜野踏みの声を聴く | 〃 | ||
| 病む友の惜命かくも冬晴るる | 〃 |
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| 彩雲をくぐりて戻る小白鳥 | 菅原あや子 | ||
| もぎたての柿まづ母へ供へけり | 井上ひさ子 | ||
| 大根干す子と暮す日を思ひつつ | 吉田春子 | ||
| 潮騒の揺する一群曼珠沙華 | 友部古鷹 | ||
| 木の葉落つ天衣無縫の枝となり | 増田 正 | ||
| 赤とんぼ土塁の天にとどまれり | 長峯寿子 | ||
| 水の声木の声木曽路さはやかに | 田中公平 | ||
| 秋日蔭巌の如く犀眠る | 高橋多美子 | ||
| 今年また知己の目をして小鳥来る | 野口 久 | ||
| 切藁を纏ひ安堵の冬田かな | 脇田 警 | ||
| 炊き上げてまづ神棚へ今年米 | 田中君枝 | ||
| かまきりの一騎斧上ぐ野良の畝 | 神田三布縷 | ||
| 野佛に奏楽献ず草雲雀 | 長瀬吉毅 | ||
| 大花野暮れて宴の跡めける | 宝田静子 | ||
| 金色の堂にも忍ぶ霜の声 | 梅本香折 | ||
| 紅葉且つ散る廃線の眼鏡橋 | 松本千代美 |
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| 彩雲をくぐりて戻る小白鳥 | 菅原あや子 | ||
| 彼岸花死は楽に来よ楽に来よ | 中宮寺立夫 | ||
| 白鶴と見まがふ仰臥デスマスク | 奥原 修 | ||
| もぎたての柿まづ母へ供へけり | 井上ひさ子 | ||
| 奥入瀬の阿修羅の流れ黄落期 | 浅野竹廣 | ||
| 大根干す子と暮す日を思ひつつ | 吉田春子 | ||
| 潮騒の揺する一群曼珠沙華 | 友部古鷹 | ||
| 木の葉落つ天衣無縫の枝となり | 増田 正 |
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| 赤とんぼ土塁の天にとどまれり | 長峯寿子 | ||
| 秋風や翁現れよと魚板打つ | 稲沢礼子 | ||
| 片減りの靴の哀歓文化の日 | 古畑泰絵 | ||
| 水の声木の声木曽路さはやかに | 田中公平 | ||
| 漁火を灯してよりの夜長かな | 村田 守 | ||
| 秋日蔭巌の如く犀眠る | 高橋多美子 | ||
| 今年また知己の目をして小鳥来る | 野口 久 | ||
| 真新し絵馬も吹かるる神の留守 | 黒森敦子 | ||
| 仏滅の日や恙無し冬に入る | 大家惟男 | ||
| 切藁を纏ひ安堵の冬田かな | 脇田 警 | ||
| 炊き上げてまづ神棚へ今年米 | 田中君枝 | ||
| かまきりの一騎斧上ぐ野良の畝 | 神田三布縷 | ||
| 野佛に奏楽献ず草雲雀 | 長瀬吉毅 | ||
| 大花野暮れて宴の跡めける | 宝田静子 | ||
| 金色の堂にも忍ぶ霜の声 | 梅本香折 | ||
| 紅葉且つ散る廃線の眼鏡橋 | 松本千代美 |
