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| をみな等も涼しきときは遠を見る | |||
| 草田男(銀河依然・昭和26作) | |||
| 青嶺百われは終生信濃つ子 | |||
| 幻 魚(幻魚・昭和34作) | |||
| 青木曾や何処に佇つも水の音 | |||
| 紫 晃(雪解光・平成2作) | |||
「遠」には遠い所(遠方)と遠きもの(遠い昔)と二つの意味がある。草田男師の句はこの二つが重なる。「おみな」は女性全般を指す。普段家事に追われ忙しい主婦が、ふと、涼しさで我にかえり遠方を眺めてる姿と解釈されてる。しかし、沢山のキャリア・ウーマンが活躍する現代女性の日常のひとこまと考えてもよい。「遠」に広がるのは青空、青き嶺々。幻魚師の句には、青い嶺々に囲まれ、孤高の詩人を貫いた師の面目が躍如としてる。「青嶺百峰」に師の心胆が光る。紫晃師の句は、こよなく愛した木曾の夏景を見事に捉えてる。「青木曾」の青がほとばしる様に響く。青色をモチーフとする三題である。画家ピカソの作風が「青の時代」から出発したことを思い起こした。
(神田北童記)
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| 春嶺へ向き一列に球児駆く | 神田北童 | ||
| 咲き揃ひ辛夷の声の樹を揺する | 〃 | ||
| 俤に届くばかりの花明り | 〃 | ||
| 一番星低し満ちくる夕櫻 | 〃 | ||
| 花冷や納戸貧しき武家屋敷 | 〃 | ||
| 夕櫻満つる城址の月掲げ | 〃 | ||
| 櫻散る親鸞像の肩幅へ | 〃 | ||
| 飛花落花しきに何を促すや | 〃 | ||
| 束の間に花の乱舞の転結す | 〃 | ||
| 息詰めて落花の坂をふりむけり | 〃 | ||
| 今生を古木の残花咲き尽す | 〃 |
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| 飼犬の夜鳴き長々春嵐 | 中宮寺立夫 | ||
| 花吹雪黄泉もかくやと風に問ふ | 奥原 修 | ||
| 岩を打つ水音に覚めし猫柳 | 古坂 房 | ||
| 夜桜や婆が介助の車椅子 | 友部古鷹 | ||
| 洩るる灯の窓辺にすつく夜の新樹 | 増田 正 | ||
| 千匹の絵馬よ嘶け花盛ん | 長田五月 | ||
| 夫遺愛のガレのスタンド春灯す | 稲沢礼子 | ||
| 養花天鳶の自在を許したり | 黒森敦子 | ||
| 花冷や水面に消えし天守閣 | 村田 守 | ||
| 一片も散らさぬ気概老櫻 | 脇田 警 | ||
| 春波濤殉国の碑やなにいわん | 佐野 明 | ||
| 夏炬燵白寿の母にやさしけり | 吉村郁子 | ||
| 母の日や母に教へる母の歳 | 今 朝生 | ||
| 御明りの白き影引く日永かな | 山瀬やす子 | ||
| 山肌を濃く映しつつ田水張る | 伊藤山葵 | ||
| 何時の日かブーケにしたきおほでまり | 西 絹代 |
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| 飼犬の夜鳴き長々春嵐 | 中宮寺立夫 | ||
| 花吹雪黄泉もかくやと風に問ふ | 奥原 修 | ||
| 木漏れ日の足りて片栗花増やす | 三浦真佐子 | ||
| 岩を打つ水音に覚めし猫柳 | 古坂 房 | ||
| 夜桜や婆が介助の車椅子 | 友部古鷹 | ||
| 洩るる灯の窓辺にすつく夜の新樹 | 増田 正 | ||
| 千匹の絵馬よ嘶け花盛ん | 長田五月 | ||
| 夫遺愛のガレのスタンド春灯す | 稲沢礼子 |
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| 養花天鳶の自在を許したり | 黒森敦子 | ||
| 裏返る蕗の葉白き嶽の風 | 野口 久 | ||
| 花冷や水面に消えし天守閣 | 村田 守 | ||
| 一片も散らさぬ気概老櫻 | 脇田 警 | ||
| 春波濤殉国の碑やなにいわん | 佐野 明 | ||
| 忌の集ひ縁者まろむる蓬餅 | 牛山徳治郎 | ||
| 断髪の少女のキック風光る | 上坂とし子 | ||
| 入信を誘ふ呼鈴聖五月 | 岩原和子 | ||
| 夏炬燵白寿の母にやさしけり | 吉村郁子 | ||
| 母の日や母に教へる母の歳 | 今 朝生 | ||
| 御明りの白き影引く日永かな | 山瀬やす子 | ||
| のど飴を舌に転ばす日永かな | 松本千代美 | ||
| 山肌を濃く映しつつ田水張る | 伊藤山葵 | ||
| 何時の日かブーケにしたきおほでまり | 西 絹代 |
