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| 月光の壁に汽車来る光かな | |||
| 草田男(句集「長子」) | |||
| 子規読まん夜は澄みまさる月信濃 | |||
| 幻魚(句集「幻魚」) | |||
| 月を観る誘なひ岳父の筆たしか | |||
| 紫 晃(句集「遠汽笛」) | |||
草田男師の句、耿々たる月光の壁なす中を、夜汽車の灯がひとすじ現れた大景。「汽車の来る人工の光は、俳諧から現代俳句へ超出しょうとする姿勢」と宮脇白夜氏は解説する。幻魚師の句、信濃の澄みきった月光を浴びて、子規の「俳諧大要」を読む師の姿が彷彿とする。「俳諧大要こそ根本・基本」と口癖であった師の教えを想起した。
紫晃師の句、草田男と幻魚が「月」に示唆した俳句の道へ、恰も、誘われてる様に観月への一歩を踏み出したのである。「岳父の筆」を二人の師の姿とすれば、この句は月三題として完結する。そして、三題の底流にこそ黒姫誌の理念「不易流行」が脈打つと私は思う。「長子」の跋にある「昨日の伝統に眠れる者でなければ、所謂、今日の新興に乱るる者でもない。」の一節を、もう一度噛みしめてる。
(神田北童記)
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| 百日紅閻王像のみに燃ゆ | 神田北童 | ||
| 幽谷をなぶり駆けゆく大雷雨 | 〃 | ||
| 隧道を抜ければ雷雨はたと止む | 〃 | ||
| 湖よぎる水脈いくすぢも夏惜しむ | 〃 | ||
| 先ぶれに高燈籠の鎮めゆく(青森ねぶた祭五句) | |||
| 出陣を待つねぶた絵の漲る眼 | 神田北童 | ||
| 繰り返す追慕の調べねぶた笛 | 〃 | ||
| 有無もなくねぶた囃子の炸裂す | 〃 | ||
| したたかにねぶた太鼓の打たれけり | 〃 | ||
| おちこちに牧の飛蝗の祝婚歌(三男、山田牧場で婚儀・二句) | |||
| 錦秋へ向く道半ばこの一歩 | 神田北童 | ||
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| 棟上げの掛矢初秋の日をはじき | 吉田長久 | ||
| よく生きしの思ひ湧き出づ破芭蕉 | 友部古鷹 | ||
| 閃光の一滴なりし夏の露 | 増田 正 | ||
| 新薬の一つを信じ髪洗ふ | 長峯寿子 | ||
| 秋暑し手擦れの句帳ふところに | 田中公平 | ||
| 新涼や模型飛行機風に乗り | 村田 守 | ||
| 吾が身をも持て余しをり酷暑かな | 脇田 警 | ||
| だみ声もあふる堂内施餓鬼寺 | 西澤麻紗子 | ||
| 鎌使ふ先に飛び散る汗の玉 | 西島美恵子 | ||
| 厨房に南瓜どつしり居座りぬ | 小山まさ志 | ||
| 白芙蓉今朝も一花に和みたり | 服部米子 | ||
| 昃れば立秋の風額に来し | 宝田静子 | ||
| 枝豆の飛び出る不思議子の眼 | 宮尾静子 | ||
| 尾で蠅を追ひたる牛の健啖や | 堀川悦子 | ||
| 玉砕の島々遠し初蛍 | 本多紀男 | ||
| 観音の慈悲を以ても酷暑なる | 奥谷茂由 |
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| 棟上げの掛矢初秋の日をはじき | 吉田長久 | ||
| 月光に山河鎮まる厄日かな | 三浦真佐子 | ||
| よく生きしの思ひ湧き出づ破芭蕉 | 友部古鷹 | ||
| 襟足の髪切りてより暑に耐へる | 古坂 房 | ||
| 閃光の一滴なりし夏の露 | 増田 正 | ||
| 新薬の一つを信じ髪洗ふ | 長峯寿子 | ||
| 晩婚の成りてメロンに銀の匙 | 稲沢礼子 | ||
| 百日紅枡形の露地寂静と | 長田五月 | ||
| 秋暑し手擦れの句帳ふところに | 田中公平 |
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| 片蔭や子安地蔵に膝を折る | 野口 久 | ||
| 新涼や模型飛行機風に乗り | 村田 守 | ||
| 吾が身をも持て余しをり酷暑かな | 脇田 警 | ||
| 連弾の垣間満たせりちちろ虫 | 梅本香折 | ||
| 書きかけの残暑見舞もそのままに | 上坂とし子 | ||
| 星影に稲穂の匂ひ濃かりけり | 青木増江 | ||
| 日盛りや顎つけて伏す散歩犬 | 牛山徳冶郎 | ||
| だみ声もあふる堂内施餓鬼寺 | 西澤麻紗子 | ||
| 鎌使ふ先に飛び散る汗の玉 | 西島美恵子 | ||
| 厨房に南瓜どつしり居座りぬ | 小山まさ志 | ||
| 白芙蓉今朝も一花に和みたり | 服部米子 | ||
| 昃れば立秋の風額に来し | 宝田静子 | ||
| 枝豆の飛び出る不思議子の眼 | 宮尾静子 | ||
| 尾で蠅を追ひたる牛の健啖や | 堀川悦子 | ||
| 手作りの椅子のでこぼこ月涼し | 奥原昭子 | ||
| 玉砕の島々遠し初蛍 | 本多紀男 | ||
| 観音の慈悲を以ても酷暑なる | 奥谷茂由 |
