2014/3 No.402

 

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師の作品を学ぶ
       
 実南天柄まで真紅や自若たり
  草田男(句集「大虚鳥」昭和三十八年)
 春や寒む詩心画心の紅を濃く
  幻 魚(「黒姫一七五号」昭和五十一年)
 春障子畳まずに折る朱の袱紗
  紫 晃(「黒姫二三五号」昭和六十一年)

新春を寿ぐ紅・朱色を詠んだ師の句を探したら、この三句に出合った。草田男師の句には註「大徳寺聚光院。利休自刃の間の外にて」が添えてある。寒中の京都大徳寺周辺は、清廉なたたずまいで、この句の背景にふさわしい。南天の実とその葉柄(ようへい)まで真紅に燃やす光景に平常心を失わず対峙されている師の姿を想定した。

対照的に幻魚師の句は、冴え返る春寒の中で、師の得意とする俳画を描く時の決意を燃える紅色に託してる様に思えた。この句は題名「負けないよ」で連作十九句中の一句であり、俳誌一七五号の巻頭に載る。

紫晃師の句は、春光の漂う障子に囲まれた清楚な和室が舞台で、袱紗の朱色は謹厳なる師の至誠と受け止めさせていただいた。寿ぐ紅・朱色にも三師それぞれの生き方が潜まる句の深さを感じてる。

(北童記)
 

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初 春
       
 雲上の藍限りなき初飛行神田北童 
 坦々と明けゆく一路初景色 〃 
 拝殿の大注連縄に声を呑む 〃 
 勝男木(かつおぎ)の光りを宿す去年今年 〃 
 千木(ちぎ)を伸べ神々を呼ぶ千代の春 〃 
 初春や法然像のなだらな背 〃 
 初勤行法然像の視野に坐す 〃 
 初春の闇うづくまる御影堂 〃 
 御廟所の道坂がかり柚子実る 〃 
 凡夫群る初唱名の切れ目なし 〃 
 初山河可惜身命(あたらしんみょう)祈る声 〃 
 祈りとは今は届かず初参 〃 

 

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黒姫抄
       
 句友らの手をあげて待つ初電車吉田長久 
 初松籟黒姫詩魂紡げとも奥原 修 
 賀状書き過ぎたる日々を愛しめり三浦真佐子 
 養生訓大きく貼りて年迎ふ吉田春子 
 余生まだ頼らるる身や年用意森泉 透 
 高々と破魔矢掲げし男の子来る高橋多美子  
 初春やめげず築かむ駄句の山村田 守 
 ひもすがら雪煙纏ふ二日富士黒森敦子 
 息止めて書初の子の一画目脇田 警 
 初夢に目覚め続きを膨らます岩原和子 
 霜柱踏めばざつくと幼き日小岩井峰子  
 悠々と柚子浮かぶ湯の至福なり堀田昌子 
 履くことのなき雪沓となりにけり吉田裕子 
 枕辺の第九聴きつつ年暮るる西 絹代  
 嬰児をあやし癒さる初笑ひ松下米子 
 大ぶりの椀に慎まし雑煮餅長崎 蕗 

 

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博塵集 白塵集
       
 句友らの手をあげて待つ初電車吉田長久 
 初松籟黒姫詩魂紡げとも奥原 修 
 賀状書き過ぎたる日々を愛しめり三浦真佐子 
 初雀去年よりの友ひきつれし井上ひさ子 
 養生訓大きく貼りて年迎ふ吉田春子 
 余生まだ頼らるる身や年用意森泉 透 
 高々と破魔矢掲げし男の子来る高橋多美子 
 初春やめげず築かむ駄句の山村田 守 

 

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机塵集 清塵集(同人・会員)
       
 薄墨にお座す神嶺お降りす野口 久 
 ひもすがら雪煙纏ふ二日富士黒森敦子 
 息止めて書初の子の一画目脇田 警 
 いつまでも落葉とならぬ楢林佐野 明 
 エプロンの派手目媼の初鏡青木増江 
 晴れ晴れと微笑む空や初筑波神田三布縷 
 冬ざれの枝の泣き声並木道小山まさ志 
 初夢に目覚め続きを膨らます岩原和子 
 霜柱踏めばざつくと幼き日小岩井峰子 
 悠々と柚子浮かぶ湯の至福なり堀田昌子 
 履くことのなき雪沓となりにけり吉田裕子 
 枕辺の第九聴きつつ年暮るる西 絹代 
 嬰児をあやし癒さる初笑ひ松下米子 
 大ぶりの椀に慎まし雑煮餅長崎 蕗