2017/01 No.419

 

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師の作品を学ぶ
       
 冬の水一枝の影も欺かず
  草田男(昭和十一年・句集「長子」)
 寒椿個々一燦す皆気息
  幻 魚(昭和四十三年「黒姫誌」百四十六号)
 冠雪を疎む一峰旭に尖る
  紫 晃(平成九年作・句集「雪解光」)

草田男著「俳句入門」の写生論は「見たこと聞いたことを直接経験した対象の中へ封じ込め結晶させよ」厳しく説いてるが、この草田男句は、その写生論を実際に作品を通して我々に示している句だと思う。ホトトギス「武蔵野探勝会」でこの句を作った時、選をした虚子が思わず唸ったというエピソードを残す句であると言われてる。

幻魚句は寒椿の個々の輝きを写生し、その輝きに椿の気息を看取したのである。この句も草田男写生論を忠実に踏襲した句であると思う。この句を我々に対しての示唆と受け止めると、「黒姫に結集してる俳人は、皆、各々が気息を持ち一燦せよ」となる。

紫晃句は、厳寒の旭に輝く一峰の峻烈さと矜持を写生した句である。この句は下五に紫晃師の心象を端的に表現し結晶させてる。「疎む」は「いみきらう」という意よりも、「打ち払う」と、私は解釈した。

(北童記)
 

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山上の城
       
 秋落暉とどめる天下布武の城神田北童 
 山上の城屹立し秋惜しむ 〃 
 城垣の巨石に遊ぶ秋日ざし 〃 
 行く秋と座す大仏の趺坐(ふざ)の下 〃 
 すずろ寒岐阜大仏の鼻梁にも 〃 
 秋の声天下分け目の碑の一基 〃 
 陣跡に日のうづくまる小六月 〃 
 泰絵亡き峡いつぱいの残り柿 〃 
 沈々と桜落葉に紅潜む 〃 
 霜解けや地蔵和讃の碑に雫 〃 
 瞑(めい)目(もく)す銀杏落葉の輝きに 〃 
 もう暫し夕空見たし日短か 〃 

 

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黒姫抄
       
 名水の瀬音盛んに冬木縫ふ奥原 修 
 ふるさとの彼の山の香よ初茸井上ひさ子 
 綿雲に抱かれ満月昇りけり吉田春子 
 むつかしく考へるなと冬の鵙森泉 透 
 町誌来て募る望郷土手野菊大家惟男 
 障子貼る長子負ふもの軽からず黒森敦子 
 舞茸の生ふは天使の羽のごと小山まさ志 
 胸像のすでに寒さを掴みをり梅本香折 
 積ん読の嵩減らしたり暮の秋今村芳巨 
 捨て畑の闇を鈴虫統べ鳴けり堀川悦子 
 月白や志賀の山並黒黒と牛山徳冶郎 
 あけびの実夫楽しみて種飛ばす今井絹江 
 軸替へて十一月を迎へたり塚本瑛子 
 幼子の両手に余る赤林檎茅野裕彦 
 翻り裏返りして朴落葉長岡春美 
 白萩の雨にけむりし無言館川野晶功 
 栗御飯美味なり少しお裾分け邑上春代 
 茸汁まだまだ遠き母の味藤沢恵美子 

 

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博塵集 白塵集
       
 名水の瀬音盛んに冬木縫ふ奥原 修 
 ふるさとの彼の山の香よ初茸井上ひさ子 
 綿雲に抱かれ満月昇りけり吉田春子 
 むつかしく考へるなと冬の鵙森泉 透 

 

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机塵集 清塵集(同人・会員)
       
 町誌来て募る望郷土手野菊大家惟男 
 障子貼る長子負ふもの軽からず黒森敦子 
 舞茸の生ふは天使の羽のごと小山まさ志 
 胸像のすでに寒さを掴みをり梅本香折 
 積ん読の嵩減らしたり暮の秋今村芳巨 
 捨て畑の闇を鈴虫統べ鳴けり堀川悦子 
 月白や志賀の山並黒黒と牛山徳冶郎 
 あけびの実夫楽しみて種飛ばす今井絹江 
 軸替へて十一月を迎へたり塚本瑛子 
 幼子の両手に余る赤林檎茅野裕彦 
 翻り裏返りして朴落葉長岡春美 
 白萩の雨にけむりし無言館川野晶功 
 栗御飯美味なり少しお裾分け邑上春代 
 茸汁まだまだ遠き母の味藤沢恵美子