先頭へ | 師の作品を学ぶへ | 主宰句へ | 黒姫抄へ | 博塵集 白塵集へ | 机塵集 清塵集へ
| 初弥撒や碧眼神父和語朗々 | |||
| 草田男(昭和四十八年作) | |||
| 倶に世の生死の絆初句会 | |||
| 幻 魚(昭和五十年作・黒姫百六十八号) | |||
| その果てに恙さとさる初電話 | |||
| 紫 晃(平成十五年作・黒姫三百三十六号) | |||
草田男師、晩年の作品。師の存命中はカトリック信者では無く、キリスト教の関心は聖書中心であったと言われている。そして、逝去(昭和五十八年八月)寸前の病床にて洗礼を受けた。(霊名・ヨハネ・マリア・ピアン)しかし、奥様の直子様は熱心なカトリック信者であり、特に教会通いを欠かさず行い典礼を大切にされたと宮脇白夜氏の著書には記されている。この様な背景に立つと、この句の成り立ちは理解出来るし、句意も明解に響いてくる。家族に付き添い年初の初弥撒に参加した際、碧眼の神父が朗々と日本語でミサ説教をしている状景句である。
幻魚句は師の初句会への志が滲む作品。幻魚師は黒姫百六十号の巻頭言に「俳句は何を詠むべきか」の一文を寄せている。「俳句形式は極度に短小なので、暗示的、象徴的にしないと良い作品になり難い。これは、ひとごとならぬ私達の問題である。この作句技倆には並々ならぬ練達が要求される故に敬遠看過されがちになる。この苦しみは実に重く大きい。然し、考えなければなるまい。今の俳句は幸福そうに遊戯している面はないだろうか」と自責自顧している。この思いが潜む幻魚句は複雑な心理が潜む。単純に表現上の解釈のみでは不足であろう。師が初句会を生死の絆とする根底には、阿弥陀経の一語“倶会一処”があると私は解した。
紫晃句は初電話と虚心坦懐に向き合って言葉を交わし相手が恙なく新年を迎えたことに気付かされたと簡潔な一句である。上五の措辞に人の交わり・人の絆の重みが潜んでいる。「季語とは人の内面を触発するもの」という草田男師の教えを熟知した紫晃師の爽やかさと親和感溢れる作品である。
(北童記)
先頭へ | 師の作品を学ぶへ | 主宰句へ | 黒姫抄へ | 博塵集 白塵集へ | 机塵集 清塵集へ
| 仏都の灯瞬き合へり星月夜 | 神田北童 | ||
| 鎮もるる満天星紅葉まくれなゐ | 〃 | ||
| 実の付かぬ被爆二世の柿紅葉 | 〃 | ||
| 帯雲の先まで染むる秋落暉 | 〃 | ||
| 朝風を弾ませ過る黄鶺鴒 | 〃 | ||
| 散りてなほ櫻紅葉のはなやぎぬ | 〃 | ||
| 瞼へ秋の入日のかそけしや | 〃 | ||
| 献灯の一句点りし秋祭 | 〃 | ||
| 字一つ田仕舞ふ煙ひとすぢに | 〃 | ||
| 歩み止む落暉の落葉転び来て | 〃 | ||
| 百々川の果てにまで沿ふ枯尾花 | 〃 | ||
| 神の留守欅大樹の孤高立つ | 〃 | ||
| 明けやらぬ現し世の空霜の声 | 〃 |
先頭へ | 師の作品を学ぶへ | 主宰句へ | 黒姫抄へ | 博塵集 白塵集へ | 机塵集 清塵集へ
| どの田にも稲架一条の里景色 | 奥原 修 | ||
| 小鳥来る中の一羽の紋著く | 井上ひさ子 | ||
| 色変へぬ松に不戦を誓ひけり | 吉田春子 | ||
| 見霽かす真赭の薄戦ぎけり | 浅野竹廣 | ||
| 秋気満つ砂丘にのめり込む踵 | 稲沢礼子 | ||
| 隣木に守られ一花帰り花 | 小林陽子 | ||
| 手水舎に一杓含む冬の水 | 神田三布縷 | ||
| 鈴緒振る古廟に立てば照葉かな | 山瀬やす子 | ||
| 柔らかに風跳ね返すねこじやらし | 奥原昭子 | ||
| 残照に満天星紅葉燃え尽くす | 北村秀男 | ||
| 見送りに出れば明々良夜かな | 今井絹江 | ||
| 偏屈も老いの矜持と落葉焚く | 茅野裕彦 | ||
| 村時雨賑はふ里の直売所 | 川野晶功 | ||
| ひつじ田の深き眠りや嶺白し | 若月すすむ | ||
| はにかみつ手を振る少女薄紅葉 | 大畑杉子 | ||
| 秋澄むや連なるバイク谷奥へ | 植原洋子 | ||
| 仲秋を頬撫でゆける風に知る | 勝山千代枝 | ||
| 鬼やんま川辺の草に殻残す | 岡本忠夫 |
先頭へ | 師の作品を学ぶへ | 主宰句へ | 黒姫抄へ | 博塵集 白塵集へ | 机塵集 清塵集へ
| どの田にも稲架一条の里景色 | 奥原 修 | ||
| 小鳥来る中の一羽の紋著く | 井上ひさ子 | ||
| 色変へぬ松に不戦を誓ひけり | 吉田春子 | ||
| 見霽かす真赭の薄戦ぎけり | 浅野竹廣 | ||
| 秋気満つ砂丘にのめり込む踵 | 稲沢礼子 |
先頭へ | 師の作品を学ぶへ | 主宰句へ | 黒姫抄へ | 博塵集 白塵集へ | 机塵集 清塵集へ
| 隣木に守られ一花帰り花 | 小林陽子 | ||
| 手水舎に一杓含む冬の水 | 神田三布縷 | ||
| 鈴緒振る古廟に立てば照葉かな | 山瀬やす子 | ||
| 柔らかに風跳ね返すねこじやらし | 奥原昭子 | ||
| 残照に満天星紅葉燃え尽くす | 北村秀男 | ||
| 見送りに出れば明々良夜かな | 今井絹江 | ||
| 偏屈も老いの矜持と落葉焚く | 茅野裕彦 | ||
| 村時雨賑はふ里の直売所 | 川野晶功 | ||
| ひつじ田の深き眠りや嶺白し | 若月すすむ | ||
| はにかみつ手を振る少女薄紅葉 | 大畑杉子 | ||
| 秋澄むや連なるバイク谷奥へ | 植原洋子 | ||
| 仲秋を頬撫でゆける風に知る | 勝山千代枝 | ||
| 鬼やんま川辺の草に殻残す | 岡本忠夫 |
