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| 年頭の燈台白きを見て足りぬ | |||
| 草田男(句集「火の島」昭和十三年作) | |||
| 初日笑む五十六歳歩調変えず | |||
| 幻 魚(句集「幻魚」昭和三十九年作) | |||
| 柚子の香を五臓に溜めて初湯出る | |||
| 紫 晃(姫三百四十二号。平成十六年作) | |||
草田男句は昭和十三年の年頭に、犬吠埼で作った連作(四十一句)の一つ。犬吠埼灯台を読んだ句である。燈台は明治七年建設され高さ約32メートル。岬にそそり立つ白亜の塔と荒海を前にして、白亜の灯台の厳しい現実の白さを師は心にしっかり止めたのである。師の言葉に「頭脳と知識のはたらきだけでは詩的真実はキャッチ出来ない・・・・ゆるぎない真実は、各作者の生命の全体性をあげて、活ける「存在」の全体性にたちむかったとき、はじめてその真の姿をあらわすものだ。・・草田男」この言葉通り、師は生命全体をあげて犬吠埼燈台の真の姿に立ち向い、真の姿を年頭の己の心に刻んだのである。
幻魚句は師が五十五歳定年退職後に迎えた年頭に、初日を仰いだ時の句である。初日の微笑みに出合い、これから歩む俳句人生の歩調を変えることなく進む決意をした信念の真の姿でもある。定年退職の二年前に「長野県俳人協会」を結成し初代事務局長に就任。事務局を黒姫発行所に置き俳句活動を広く前進させようとする只中の姿である。
紫晃句は、師が初湯を浴びて五臓に溜めた柚子の香こそが、すなわち、詩的真実を追求しようとして紫晃師本人が立ち向かおうとする「活ける真実の存在」なのではと考えてみた。それは何故かというと、師が平成十五年・十六年と二年間に黒姫誌へ執筆した「塵園の花」の冒頭文で、草田男師の句作に関する示唆・名言の数々を収録し掲載しており、前掲の「活ける存在の全体性」の文章は平成十五年一月号に掲載されている。当然、この文章の真意は紫晃師が熟知されていたと推測させていただいた。
(北童記)
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| 宝塔を模する黄菊のゆたけしや | 神田北童 | ||
| 懸崖にととのふ小菊つつましき | 〃 | ||
| まんべんに懸崖菊のなだれたる | 〃 | ||
| 大輪の香り菊師の心意気 | 〃 | ||
| 大輪の蕾みなぎる菊花展 | 〃 | ||
| 岩に座す盆栽菊の小さき紅 | 〃 | ||
| 白菊の大輪の笑む組花壇 | 〃 | ||
| 国華てふ黄菊の花弁ほころびし | 〃 | ||
| 身の丈の大作り菊迫りくる | 〃 | ||
| 菊花展小作り鉢に努力賞 | 〃 | ||
| 小春日や「菊華の丘」にまむきたり | 〃 | ||
| 手をつなぎ園児声挙ぐ菊花展 | 〃 | ||
| 老菊師花との睦び語り呉る | 〃 |
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| 晩節に為すこと多し鳥渡る | 吉田春子 | ||
| 火と燃ゆる夕日を受けて谷紅葉 | 古坂 房 | ||
| 遣唐の碑を高々と鷹渡る | 徳久芳拙 | ||
| ことごとく桧山となりて霧襖 | 稲沢礼子 | ||
| 赤心を表すやうに檀の実 | 新島俊哉 | ||
| 晩秋や無言で入る無言館 | 岩原和子 | ||
| 里を守る卒寿の兄や露寒し | 田中 和 | ||
| 冬鳥の群るる塒の一樹かな | 神田三布縷 | ||
| 秋深む外燈潤む過疎の村 | 吉村郁子 | ||
| 下校の子ふざけ遊びのねこじやらし | 堀田芙美子 | ||
| 初冬や母の残せし裁ち鋏 | 奥原昭子 | ||
| 此の肩に憩ふも縁赤とんぼ | 大家惟男 | ||
| 風の音水の音にも紅葉散る | 宇田まさお | ||
| 晩秋や山を仰いで畑を閉づ | 川野晶功 | ||
| 色葉散る「頑張つて」とはもう言へず | 大畑杉子 | ||
| 道の駅きのこ談義で笑顔なる | 邑上春代 | ||
| 稲雀羽音すさまじ学校田 | 山崎洋子 | ||
| 厚着して皆既月食立ち尽くす | 小林 亨 |
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| 晩節に為すこと多し鳥渡る | 吉田春子 | ||
| 火と燃ゆる夕日を受けて谷紅葉 | 古坂 房 | ||
| 遣唐の碑を高々と鷹渡る | 徳久芳拙 | ||
| ことごとく桧山となりて霧襖 | 稲沢礼子 | ||
| 赤心を表すやうに檀の実 | 新島俊哉 |
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| 晩秋や無言で入る無言館 | 岩原和子 | ||
| 里を守る卒寿の兄や露寒し | 田中 和 | ||
| 冬鳥の群るる塒の一樹かな | 神田三布縷 | ||
| 秋深む外燈潤む過疎の村 | 吉村郁子 | ||
| 下校の子ふざけ遊びのねこじやらし | 堀田芙美子 | ||
| 初冬や母の残せし裁ち鋏 | 奥原昭子 | ||
| 此の肩に憩ふも縁赤とんぼ | 大家惟男 | ||
| 風の音水の音にも紅葉散る | 宇田まさお | ||
| 晩秋や山を仰いで畑を閉づ | 川野晶功 | ||
| 色葉散る「頑張つて」とはもう言へず | 大畑杉子 | ||
| 道の駅きのこ談義で笑顔なる | 邑上春代 | ||
| 稲雀羽音すさまじ学校田 | 山崎洋子 | ||
| 厚着して皆既月食立ち尽くす | 小林 亨 |
