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| 空が日を浴びて二月の瑠璃日和 | |||
| 草田男(句集「時機」昭和三十四年作) | |||
| 犬ふぐり峻嶺白馬その村で | |||
| 幻 魚(黒姫百二十号 昭和三十三年作) | |||
| 午後の陽を遍く故山笑み初むる | |||
| 紫 晃(黒姫三百十九号 平成十二年作) | |||
この句の解釈(宮脇白夜氏の文章)を次に記す「酷寒となる二月、太陽は次第に輝きを増すが、晴れてもぽっかりと雲の浮かぶことはない。そんな二月の好天の一日、作者はそれを「瑠璃日和」という美しい言葉で形容した。だが空はそれほど青々としている訳ではなく、その言葉の中には、かなりの思い入れと自祝が籠められている。」 先ず「空が日を浴びて」の表現に草田男師の独特の感性が窺える。大空に浮かぶ太陽に大空そのものが、その光を浴びているという受身文である。そのありさまを《「二月の瑠璃日和」》と表現したのである。師の心に描いた二月の空の《真の姿そのものである。師の言葉《「作者の生命の全体性をあげて活ける「存在」の全体性に立ち向かった時、はじめて真の姿を現す」》を想起した。
幻魚句は安曇野での吟行句。当時の「黒姫」には豊科の会員が居た。安曇野で眺める白馬三山(白馬岳・杓子岳・白馬鑓ケ岳)を白馬連峰と呼ぶが、初春の残雪に輝く峻嶺白馬連峰と瑠璃色の犬ふぐりの小花との取り合わせが美しい風景句。幻魚師の言葉「我々の感情は本質的には感性。詩語の置き方は細工をすればする程騒音、雑音ばかり立ち、相手に聞き取れなくなる。こんな短小な詩は短剣の鋭きでよい。」が聞こえてくる一句。「犬ふぐり」が《鋭き短剣》であろうか。
紫晃句の措辞「山笑み初むる=山笑ふ」の表現が、この作品を明るく包み込む様である。句意は午後の陽射しが故郷の山の全てに行き渡り、山々が笑み初めたと簡明に言い切っている。
紫晃師は黒姫三百十七号の「新春随想」で「日本の四季に於ける色彩は極めて豊かであるが、惰性と瞥見(べっけん)で捉えた素材、常識の中で詠み続けてきた色を改めて見直し色彩文化を究明していくことが俳人にとり極めて大切」と述べている。この色彩文化の追求の一句と考えてみた。
(北童記)
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| 元旦や真青な空を授かりぬ | 神田北童 | ||
| 対峙して微かに響く初山河 | 〃 | ||
| 初山河白妙の雲流れ行く | 〃 | ||
| 白妙の雲に道あり初山河 | 〃 | ||
| 初茜このくれなゐを忘れまじ | 〃 | ||
| 初御空ボール投げ合ふ子等の声 | 〃 | ||
| 年賀状久しき言の葉に出合ふ | 〃 | ||
| 慎みて列の尾に付く初詣 | 〃 | ||
| 初夢やラデツキー行進曲で覚む | 〃 | ||
| 白きもの銜へ羽ばたく初烏 | 〃 | ||
| 三日はや瀬音なだらに暮れゆけり | 〃 | ||
| 前河原冬芽尖りて茜さす | 〃 | ||
| 知らぬ間に深雪の底に庭埋る | 〃 |
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| 民衆は戦のぞまぬ虎落笛 | 三浦真佐子 | ||
| 手水舎の柄杓のしづく初明り | 浅野竹廣 | ||
| リハビリに明け暮る今宵冬の星 | 長峯寿子 | ||
| 元朝の郵便受けの音高し | 脇田 警 | ||
| 雪富士やひねもす強き浜の風 | 宮下陽子 | ||
| 青松の葉先が弾く初日の出 | 小林陽子 | ||
| 鴨鍋や竜馬を偲びつつ食す | 小山まさ志 | ||
| 年の瀬やひと日ひと日を振り返る | 上坂とし子 | ||
| 初仕事八十路の夫の鉋かけ | 堀川悦子 | ||
| 捨てがたき重き一年古暦 | 山瀬やす子 | ||
| 大きめのマスクが通る通学路 | 櫻井半吉 | ||
| 感謝して日めくりめくる師走かな | 今井絹江 | ||
| 句とあそび句をおひかけて年惜しむ | 佐藤澄子 | ||
| 息白く眼鏡を外す男坂 | 長岡春美 | ||
| 初夢のシャンツェ踏み切りはつと覚む | 若月すすむ | ||
| 獣園のはや寝落ちたり大冬木 | 北沢久子 | ||
| 水仙を活けて香りの中に座す | 岡田裕衣子 | ||
| 風無くも朝日に弛び枯葉散る | 小山重征 |
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| 民衆は戦のぞまぬ虎落笛 | 三浦真佐子 | ||
| 手水舎の柄杓のしづく初明り | 浅野竹廣 | ||
| リハビリに明け暮る今宵冬の星 | 長峯寿子 | ||
| 元朝の郵便受けの音高し | 脇田 警 | ||
| 雪富士やひねもす強き浜の風 | 宮下陽子 | ||
| 青松の葉先が弾く初日の出 | 小林陽子 |
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| 鴨鍋や竜馬を偲びつつ食す | 小山まさ志 | ||
| 年の瀬やひと日ひと日を振り返る | 上坂とし子 | ||
| 初仕事八十路の夫の鉋かけ | 堀川悦子 | ||
| 捨てがたき重き一年古暦 | 山瀬やす子 | ||
| 大きめのマスクが通る通学路 | 櫻井半吉 | ||
| 感謝して日めくりめくる師走かな | 今井絹江 | ||
| 句とあそび句をおひかけて年惜しむ | 佐藤澄子 | ||
| 息白く眼鏡を外す男坂 | 長岡春美 | ||
| 初夢のシャンツェ踏み切りはつと覚む | 若月すすむ | ||
| 獣園のはや寝落ちたり大冬木 | 北沢久子 | ||
| 水仙を活けて香りの中に座す | 岡田裕衣子 | ||
| 風無くも朝日に弛び枯葉散る | 小山重征 |
