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| 火の島は夏オリオンを暁の星 | |||
| 草田男(句集「火の島」昭和十四年作) | |||
| 虹の短かさ四十路最も意図に満つ | |||
| 幻 魚(黒姫百九号 昭和三十年作) | |||
| 撥一音踊りの波を昂ぶらす | |||
| 紫 晃(黒姫三百三十三号 平成十四年作) | |||
草田男句は句集「火の島」の伊豆大島行・連作百句の第一句目。句集名「火の島」は伊豆大島のことである。第一句集「長子」から第二句集「火の島」へと「句材は回想のロマンチシズムから現実・未来へと師の関心が向かった」と香西照雄氏が指摘しているが、「火の島」では自然と風物写生句が多い。この句は伊豆大島の夏払暁に輝くオリオン座が火の島の暁の星であると結語。「季題を自己のリアリズムの洗いにかける・草田男」という師の意志そのものと感じた。
幻魚句は萬緑全国大会を松本市で開催した昭和三十年八月号の作品。この号には、草田男師と幻魚師が松本城を背景に並んで撮影した写真が掲載されている。幻魚師四十八才、最も充実した俳句人生を過ごした時期。その心境がこの一句に如実に表現されている。
その業績は、長野県萬緑会の創設・萬緑全国大会開催・黒姫同人制度の確立・黒姫誌の編集改革等、壮年期四十路での意欲・意図の充実した日々を句の「虹の短かさ」に象徴した。師の壮年期は、その後二十年目に師が急逝(七十才)し断絶した。まさに「虹の短かさ」であった。
紫晃句は平成十四年七月、郡上おどり及び郡上八幡・黒姫吟行会(十八名同行)を行った時の師の一句。師と共に郡上踊り楽しんだ一夜が懐かしい。「郡上おどりは全国的に有名で、まず櫓上での囃方の太鼓、三味線、笛など総て生で行われるので、踊る人の気持ちが弥が上にも昂り、郡上節(十種位ありテンポ遅速も様々)の何れも大変明るくて、だれでも老若男女問わず素早く踊りの輪に入り易く出易く更け行く夜を忘れさせて呉れる。・・同人・安藤逸人氏の手記より」の様に、「一同あっという間の二時間半で踊り参加を終了した。
紫晃句の通り、撥の一音の役割を再認識した一夜の体験である。
(北童記)
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| 鳶の笛白藤の花空おほふ | 神田北童 | ||
| 亡き友の軒に枝垂るる藤の房 | 〃 | ||
| リラの花老樹いきいき咲き揃ふ | 〃 | ||
| 躊躇する齢となりぬ更衣 | 〃 | ||
| 衣更ふ蒼穹仰ぎ一歩踏む | 〃 | ||
| 近寄ればはたと鳴き止む青蛙 | 〃 | ||
| 燕子花供ふ開拓慰霊碑へ | 〃 | ||
| 薄暑して芭蕉碑探し山頂へ | 〃 | ||
| 朝日差す岩鼻直下新樹燃ゆ | 〃 | ||
| 山城址揺れ駆けぬくる若葉風 | 〃 | ||
| 風運ぶ雉鳩の声山若葉 | 〃 | ||
| 若葉吹きメタセコイアの伸び極む | 〃 | ||
| 若葉寒む十王堂を取り巻きし | 〃 |
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| 憲法記念日女らしくと父言はず | 三浦真佐子 | ||
| 高々と虚空押し上ぐ荒神輿 | 浅野竹廣 | ||
| 苔茂る石も年寄る純夫句碑 | 田中 和 | ||
| 仕上ぐまで櫛師の寡黙大西日 | 吉田春子 | ||
| 読経の声の太きや花は葉に | 宮下陽子 | ||
| 白れんの空を仰ぎて杜氏帰る | 北沢久子 | ||
| 藤房の揺れては光こぼれけり | 北村秀男 | ||
| 一茎に風情いくつも九輪草 | 吉村郁子 | ||
| 花吹雪古刹の甍越えゆけり | 宇田まさお | ||
| 引き潮や浅蜊掘る手の手触りに | 半田 満 | ||
| 梅花藻の揺るる源流風青し | 佐藤富子 | ||
| 初音聞くまだ拙くも鍬を止め | 堀川悦子 | ||
| 春の雨土の匂ひの蘇る | 長岡春美 | ||
| 黄砂ふる郵便受の指の跡 | 大畑杉子 | ||
| たんぽぽのわたはふはりとかぜのなか | 櫻井半吉 | ||
| 朧月夜半のしじまみづみづし | 月岡紗千子 | ||
| 花吹雪園児のバスを追ひかけて | 松下米子 | ||
| 春のきて萌黄に染まるりんご園 | 中澤圭子 |
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| 憲法記念日女らしくと父言はず | 三浦真佐子 | ||
| 高々と虚空押し上ぐ荒神輿 | 浅野竹廣 | ||
| 苔茂る石も年寄る純夫句碑 | 田中 和 | ||
| 仕上ぐまで櫛師の寡黙大西日 | 吉田春子 | ||
| 読経の声の太きや花は葉に | 宮下陽子 |
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| 白れんの空を仰ぎて杜氏帰る | 北沢久子 | ||
| 藤房の揺れては光こぼれけり | 北村秀男 | ||
| 一茎に風情いくつも九輪草 | 吉村郁子 | ||
| 花吹雪古刹の甍越えゆけり | 宇田まさお | ||
| 引き潮や浅蜊掘る手の手触りに | 半田 満 | ||
| 梅花藻の揺るる源流風青し | 佐藤富子 | ||
| 初音聞くまだ拙くも鍬を止め | 堀川悦子 | ||
| 春の雨土の匂ひの蘇る | 長岡春美 | ||
| 黄砂ふる郵便受の指の跡 | 大畑杉子 | ||
| たんぽぽのわたはふはりとかぜのなか | 櫻井半吉 |
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| 朧月夜半のしじまみづみづし | 月岡紗千子 | ||
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