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- 東日本大震災によせる「私の一句」
東日本大震災によせる「私の一句」(つなげよう思いは小さくも)
2011年11月
ここに掲載される作品は、震災復興や支援には直接に役立たず、人間の善意の自覚のみで終るかもしれません。人はもとより善意から生まれ互いに寄り添うもであると思います。禍を蒙った人達へ、先ず、慎ましく、心を寄せる善意の一句にしたいと思います。平成23年11より転載
「応えなき電話」
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| 応へなき電話幾度冴返る | 黒森敦子 | |
| 義妹の帰省肩抱き聞く被災 | 堀川悦子 | |
| 被災地は地獄さながら寒い春 | 窪田一青 | |
| 大地震パンドラの箱こじあけて | 鈴木真理子 | |
| 「タスケテー」聞こえてきさう春北風 | 森泉 透 | |
| 被災せる故郷こひし秋あかね | 織田はるよ | |
| 遊学子震災の地に夏終る | 田中 和 | |
| 北上川その先の闇流灯会 | 井上ひさ子 | |
| 津波禍の漁船や夏になほめげす | 田中公平 | |
| 松一本残り初秋の空に立つ | 櫻井半吉 | |
| 田を植うも出来ぬ被災地農哀れ | 吉村郁子 | |
| 破損路の裂け目に生きむ秋大豆 | 梅本香折 | |
| 北国に大津波あり春無惨 | 松原千春 | |
| 余震なほ地を宥むるかに春の雨 | 増田 正 | |
| 大地震鴉も啼かず春霙 | 吉田春子 | |
| 故郷は真っ白き夏避難民 | 牛山徳冶郎 | |
| 文を書くのみ被災地は送り梅雨 | 宝田静子 | |
| 雛月に諸行無常の大津波 | 柘植翠苑 | |
| 被災者を想へば痛む秋の風 | 奥谷茂由 | |
| 被災地の復興もどかし花辛夷 | 佐野 明 | |
| ままならぬ復興きびし残暑なほ | 古坂 房 | |
| 声を呑む冬の地震なほ癒え遠く | 西島美恵子 | |
| 馴染みし地去る切なさや沙羅双樹 | 堀田芙美子 | |
| 教訓を守りて避難雲の峰 | 塚本瑛子 | |
| 稲架けを燃やし村人救ひたる | 半坂峰子 | |
「亥の暴走」
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| 核の字の亥(がい)の暴走春暗し | 村田 守 | |
| 裏返る原発神話春津波 | 古畑泰絵 | |
| 校庭よ野よ不可視汚染の草は実に | 奥原 修 | |
| 陸奥遥かセシウム飛びし一番茶 | 伊藤山葵 | |
| 卯の花腐し腐してよ放射能 | 川原澄子 | |
| 原発の先を恐るる弥生寒 | 長峯寿子 | |
| 核避くも疎開と言ふや春寒し | 小岩井峰子 | |
| 放射能罪なき牛の眼晩夏憂し | 稲沢礼子 | |
| ふるさとを奪ふ原発青芒 | 上坂とし子 | |
| 死の街と感ぜし言葉身に沁むる | 五十嵐敏秀 | |
| 「がんばれ」は励ましならずそぞろ寒 | 友部古鷹 | |
| 稲の穂やみちのく哀れ核の塵 | 長瀬吉毅 | |
「日の匂ひ」
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| 日の匂ひ染ませて毛布地震の地へ | 野口 久 | |
| 「がんばろう」段幕掲げ秋祭 | 小林陽子 | |
| がんばろう七夕竹に願ひ込め | 吉田長久 | |
| 地震の傷癒す絆や鰯雲 | 大家惟男 | |
| 草いきれ地震に踏まれし草死なず | 松田玉枝 | |
| いざ踊れ相馬盆唄たましづめ | 今村芳巨 | |
| 復興へ槌音響け天高く | 服部米子 | |
| 声挙げて復興誓ふ夏祭 | 山瀬やす子 | |
| 被災地の子等の笑顔に春動く | 奥原昭子 | |
| 陸奥や倒れし桜咲く気配 | 小谷竹代 | |
「祈り」
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| なゐの地と共に月得し祈るらん | 岩原和子 | |
| 糸すすき程の力も捧げたし | 伊藤穏子 | |
| レクイエムの深悼響く夏木立 | 神田三布縷 | |
| 神鈴を思ひきり振る今朝の秋 | 吉田裕子 | |
| 震災の復興祈る鰯雲 | 寺島志も乃 | |
| 彼岸花義捐金付き切手買ふ | 塩野入靖夫 | |
| 蝉しぐれ霊幾千の鎮魂歌 | 長田五月 | |
| 反省と言ふ語しきりに蘖す | 菅原あや子 | |
東日本大震災を詠む
2011年5月
東日本大震災の犠牲になられた皆さんのご冥福を謹んでお祈りします。又、被害を受けた多くの皆さんに心からお見舞いを申し上げます。
東日本大震災を詠む
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| 激震の報三月を翻弄す | 神田北童 | |
| 追悼を胸にたためり水温む | 〃 | |
| 春昼の余震数秒息詰める | 〃 | |
| 春天に祈る災禍の鎮まりを | 奥原 修 | |
| 寒戻るすべて飲み込む大津波 | 古坂 房 | |
| 春の雪止みても余震なほ余震 | 黒森敦子 | |
| 地の震ひ海割く春は春ならず | 今村芳巨 | |
| 被災地を偲びて囲む春灯 | 吉田裕子 | |